僕の父はカメラマンだった
子供の頃よく撮影に連れていってもらった
時には僕をほったらかしにして撮影に夢中になる時もあった
でも人一倍よく遊んでくれる父で大好きだった
思春期になるとだんだんそんな父の生き方が許せなくなった
絶対父のような生き方はしないと固く心に誓った
それから十年の間一言も喋らなかった
僕も大人になりいろんな事が分かるようになった
父なりに苦しんでいたことも
そんな中突然父が病気になった
あと三ヶ月しか時間がなかった
僕はカメラが欲しいと父に言った
父はとても嬉しそうにNikonF70をくれた
これが僕の精一杯の「ごめんなさい」だった
結局一枚も撮影した写真は見せれなかった
でもきっとどこかで見てくれてると思う
撮影するのは好きだけど撮影されるのは苦手だ
ファインダーの向こうに父がいる
そんな気がするから・・・
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